【着付け】合同授業 きものの歴史
55回目 合同授業 きものの歴史
【経営教養科17回目】
2021/06/05 SAT
ハクビ京都きもの学院『きもの教本 師範科・経営教養科編』第4版, 東京, 株式会社ハクビ, 2017, 191p
学んだこと
- きものの歴史についての講義
- モデルさんでの実演
きものの歴史について
縄文時代 BC750年ごろ
- 魚や獣の皮、植物の繊維をそのまま衣服として使用
- 繊維を細くあわせて織物とした。紐衣、腰衣。
弥生時代 BC200ごろ
- 主に朝を材料としていたが、繭より糸をとり織物も作った。
- 貫頭衣、袈裟衣(横幅衣)
古墳時代 AD300頃
- 大和朝廷がほぼ日本全国を統一し朝鮮との交流が盛んになり染色、養蚕、絹織物の技術が伝わる。
- 紅花、紫根染伝来。
- 衣褌、衣裳
- 衣裳は、上下に分かれており、麻の上衣に裳と呼ばれるスカートのようなものを着ていた。これには既に紋様がみられる。前は左右を掛け合わせて紐で結んでいたが、男性同様左前
左から衣裳(古墳時代)、推古朝女官朝服(飛鳥時代)、天武朝女官朝服(飛鳥時代) |
飛鳥時代
従来の合わせ衿のほかに、丸衿のの上衣が多くなり袖も長くなってくる。衿の合わせ方も中国の影響を受けてこれまでの左前から多くは右前になった。
593年
- 聖徳太子が摂政となり大陸(隋)と国交が開け、服飾は隋唐模倣の時代となる
- 十二階の冠位を制定。上衣の色は冠とともに紫、青、赤、黄色、白、黒の順(推古11)
- 禁色といって天皇、皇太子、法皇などの使う色はそのほかの人々が許可なく使用することを禁じられた
701年
- 大宝律令が敷かれ、服装の制度が定まる(大宝1)
- 礼服、朝服、制服
奈良時代
710年
- 平城京に都を移す
- 養老衣服令が定まる(養老2)
- 右衽の勅令が出る。袖が大きくなり衽が分化する
- 羅、綾、錦などの技術が輸入され、臈纈(ろうけつ染め)、纐纈(絞り染め)、夾纈(板締め染め)などの染色も流行
- 服飾は唐風の模倣
- 礼服(らいふく)は、国家の重大な儀式に着る
- 朝服は、一般官吏がふつうの儀式や朝廷へ参内する際に用いた
左から、命婦礼服(奈良時代)、女官朝服(奈良から平安時代) |
平安時代
湿度の高い日本の風土に合わせ、広い袖口、ゆったりした見頃、だぶだぶの袴などが登場。暖かさを保つために何枚も襲ね着することが考えられ、ここから優雅な線と色彩の醸し出すおもしろさと美しさが生まれた
794年
- 平安京に都を移す
- 菅原道真の建議によって遣唐使が廃止され文字、文学、住宅、服飾などの国風化が始まる
1017年
- 藤原道長太政大臣となり、その一門は全盛を誇る
- 束帯、布袴、衣冠、直衣、狩衣、水干
- 女房装束(十二単は江戸時代になってからつけられた名称)、小袿、細長、壺装束、虫垂衣、被衣、汗衫、衵
- 有職文様、浮織、二重織が行われ、重色目の流行により、紅と紫の時代といわれるような華やかな染色が出現
鎌倉時代
1192年
- 源頼朝鎌倉に幕府を開く
- 武士の時代を反映して、強装束が流行
- 染織の技術が京から全国へ広まる
- 狩衣、直衣、大紋、素袍、十徳、小袖
室町時代 / 安土時代 / 桃山時代
1394年
- 足利義満太政大臣となる
1576年
- 織田信長安土城を居城とする
1585年
- 宗、元、明など大陸の高級織物をまねて、博多織、金襴、錦、緞子、唐織などすぐれた織物がつくられた。また辻が花染、天文小袖、桃山小袖など優れた着物がつくられた。
- 更紗伝来
- 肩衣・袴、羽織
- 小袖、打掛姿。腰巻姿。名護屋帯
江戸時代
1603年
- 徳川家康征夷大将軍となる
- 小袖が発達し現在のきものが完成された。帯も幅が広くなり、結び方が種々工夫された。材料も麻、絹の他に木綿が多く用いられるようになる
1672年
- 振袖が生まれる
- 後ろ結びの帯が現れる
- 結髪の黄金期
1682年
- 友禅染めが生まれる
1724年
- 木綿が普及する
1771年
- 小紋、中形染め、木綿絞り始まる
1787年
- 黒、鼠、茶色流行。縞柄流行
- 束帯、衣冠、直垂、大紋、素襖、裃、小袖、羽織袴、半纏、法被、合羽
- 打掛、腰巻、小袖、被布
- 浴衣、丹前、襦袢
明治時代
1868年
- 明治になって、西欧の文化が急激に輸入され服飾にも大きな変化が見られた。洋服が官服とと定められた
- 羽織袴、トンビ、兵児帯
- 海老茶袴、吾妻コート、被布、ショールなどが流行
大正時代
1912年
- 和服と洋服が相半して用いられるようになり、材料も人絹、羊毛、スフなどが用いられた
- 名古屋帯、夏羽織、絵羽織流行
昭和時代
1940年
- 国民服が制定された(昭和15)
- 婦人標準服が制定される(昭和17)
- 戦後の日常服は洋服に変わったが、伝統的なきものへの愛着も根強い
1960年
- 洋服生地の和服や無地のきもの、茶羽織などが流行
先生方による古代の着物の着付けの実演
衣裳(古墳時代)、推古朝女官朝服(飛鳥時代)、天武朝女官朝服(飛鳥時代)の着付け