【着物のお手入れ奮闘記③】東京ますいわ屋さんで古い着物の生洗いを依頼する
この奮闘記は、着物初心者が数十年ものの着物をお手入れするまでの記録です。リアルタイムで更新中
前回の記事でも書いたように、お手入れしたい着物の数が多いので全部にたっぷりとお金をかけるわけにもいかず取捨選択をしました。
今回は、とりあえず洗って綺麗にしたいグループのお手入れについてです。色々考えた結果、漠然と生洗いかな〜と考えており相談も兼ねて持ち込み生洗いをお願いするに至りました。
生洗いとは?
お手入れする着物リスト
ますいわ屋 スクランブルスクエア店にて |
- 江戸小紋
- 色無地小紋
- 長襦袢×2
なんとなく高価そうでない着物たち(主観)をとりあえず持ち込みました。持っていくまで普通に小紋という認識しかありませんでした。畳紙にすら包まれず箪笥に入れられていた着物たち... 長襦袢に至っては、着潰してもいいのではレベルの感覚でしたが一応出しておこうと言うことで。
なぜ、ますいわ屋さん?
インターネットを見ていると、百貨店などに入ってる所謂ナショナルチェーンや呉服屋さんを高いものを勧められるのではとか余計なオプションを付けられると敬遠されている方がいる印象を受けました。確かに、知識がない状態で良し悪しもわからず洋服価格でみると高価な商品を勧められると怖いですよね...
で、あまりネットに情報もないので初心者にはますますハードルが高い印象。
ますいわ屋さんから届いたDM |
私は、以前ますいわ屋さんで着物を誂えており、かれこれ7年くらいになる付き合いの担当さんがたまにお手紙や電話でご連絡をくれます。強く勧められたりとかは特になく、必要な時にお世話になってる感じです。今回もちょうどいいタイミングで、お手入れフェアのお葉書をいただいたので、これ幸い!とお願いすることに。以前から自分の着物のお手入れは、ますいわ屋さんでお願いしてました。(しみぬきとか必要なレベルの汚れのない着物)
というわけで、渋谷の東急東横店の閉店に伴い移転した渋谷スクランブルスクエアにあるお店へ
ますいわ屋さんでのお手入れ相談
おばあちゃんな担当さんに着物を見せ相談。1着1着広げてチェック!
長襦袢
結構汚れていたり大きいシミがあったりと酷い状態。1着の長襦袢には半端に半襟がついていたので取ってもらいました。
担当さん「長襦袢はシミとかあってもね、見えないから。生洗いだけしましょう」
→生洗い決定
小紋1(江戸小紋)
続いて、小紋へ。私が安価そうと思った小紋(江戸小紋だと教えてもらった)から見ていただきました。
適当に箪笥に入れられてるし、薄いし、総柄だから小紋だし安そうというのが持ち込む前の私の考えでした。(今回お手入れする着物のなかで一番優先度が低かった無知って怖い)
色々思い込みがひっくり返され見てもらってよかったと実感
〜以下担当さんとの会話〜
担「手間暇かかってるいい着物。江戸小紋に箔がかかってる。昔の着物はやっぱり手が混んでていいわね。今は価格があがると皆買わないから作らない」
私「え!これ江戸小紋なんですか。普通の小紋だと思った。」
担「菊の柄はいってるでしょう。その上から箔がかけられてる」
私「そうなんだ〜勉強になった」
担「これちゃんと着るなら、着物クリニックの時に来てもらって職人さんに見てもらった方がいいかも。胴裏も八掛も変えないと」
私「洗い張りするってことですか?」
担「そうね。洗い張りして仕立て直して胴裏変えないとこのままじゃ着られないわね」
私「え、どうしよう(あんまり変えたくないな...)」
担「昔の着物はね、黄変防止加工されてないから。昔は、黄色くなるのが正絹のいい着物の証でもあったんだどね。」
私「???もしかして、クリーム色みたいなこれって白かったってことですか?(胴裏が全体的に黄ばんでいる)」
担「そうよ」
私「え!!!こういう色のだと思ってた!!!(それだけ白からかけ離れた色)」
担「違う違う、元は白」
私「でも洗い張りして胴裏も変えると高いですよね?」
担「7万くらいはかかるわね」
私「他の着物もあるしな〜〜。とりあえず今回は生洗いだけで!また直したければ考えます」
小紋2(色無地小紋)
担「こっちは色無地ね〜」
私「え!これ色無地なんですか、小紋かと」
担「小紋だけど色無地としても使えるわよ。帯で雰囲気変えられる。遊びのある帯で街着としても着れるし、金糸や銀糸の豪華な帯なら入学式とかでも着れるわね〜」
私「そしたら紋入れることもできる?(最近紋に興味ある人)」
担「できるけど入れると着れる機会が限られちゃうわよ」
私「そっかー(残念)これ結構シミとかあって」
担「そうね。この辺の黄ばみは汗染みね。生洗いだと全部は消えないけど、目立つ位置じゃないし気にしないならいいと思うわ。ちゃんと着たいなら、袖の色あせとか地直しした方がいいわね」
私「なるほど、これ結構色が好きで気に入ってるので着たいんですけど、一旦生洗いしてから考えます」
担「そうね、どっちがいい着物かって言ったら江戸小紋の方が高級なものよ。よく考えてみて」
→生洗い
結論
生洗いにかかった費用
余談(他の着物の相談)
〜以下担当さんとの会話〜
私「着る予定ないけど、汚れてる着物の手入れってどうしたらいいですかね」
担「古い着物の汚れならそこから悪化するってこともないから一度に全部やらなくてもいいんじゃない?」
私「留袖とかどうしようかなと思ってて、洗い張りした方がいいのかなとかも思うんだけどわからなくて」
担「留袖は着るにしても随分先だしね〜 2,30年後に着る予定で洗い張りしておくのもいいけど、着る予定が近くなってからでもいいんじゃない?」
私「これとか汚れなのか柄なのかわからなくて、綺麗に畳紙に入れられてお手入れ後のまま仕舞われてたんですけど(写真を見せる)」
私が見せた写真。菱形の茶色いのがシミかと思ったやつ |
担「これは違うわよ。箔が剥がれただけ」
私「シミじゃないの!よかったー!(しみぬきお手入れが一つ減った!)」
担「箔直したいなら、また直したらいいわ」
私「これの他にも留袖2着あって、そっちは結構シミが多くて」
担「留袖3着もお持ちだったの?」
私「そうみたいで。留袖だと着れないし...他の手入れしたい訪問着も汚れが酷いのだけど、ネットで調べたら古い着物は洗い張りできないのもあるとか見て」
担「古いのはね、生地が丈夫なら大丈夫なんだけど、柔いのだと出来なかったりもするわね。」
私「柔いってのは薄いってこと?」
担「薄さは関係なくて、薄くても丈夫なものもある」
私「なるほどな〜〜」
まとめ
参考
- 杜若色、菊文様の江戸小紋 【1709】
https://www.someichie.jp/SHOP/order1709.html - ますいわ屋 きもののお手入れ
https://www.masuiwaya.co.jp/main/product/around/ - 正絹の胴裏は必ず黄ばんできます
https://www.kikuya.shop/html/page9.html
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