【着付け】合同授業 指導法
60回目 合同授業 指導法
【経営教養科22回目】
2021/07/14 WED
ハクビ京都きもの学院『きもの教本 師範科・経営教養科編』第4版, 東京, 株式会社ハクビ, 2017, 191p
やったこと
- 指導法の講義
- 良い例・悪い例の指導法の実演
学習指導の方法について
講師が、教材などを用いて学術や技芸などに関する一定の内容を教えることを教授という。
「何を用いて、何を教えるのか、どのように教えるか」の方法について。
講義法
講師が教える内容を話し、生徒はこれを聞くという方法。講師は教えようとする内容を十分に理解し論理的に話す。生徒の能力や反応の具合などに応じて、わかりやすく丁寧に講義することが大切。実物やスライドを用いて理解しやすくしたり、講義のところどころで生徒に質問の機会を与え、できるだけ積極的に学習に参加できるようにする。
▼長所
- 短時間に多くの知識を教えることができる
- 同時にたくさんの生徒に教えることができる
- 講師の思い通りに授業を進めることができる
- 授業の動機付けに有効
- 授業内容の整理やまとめがしやすい
▼短所
- 講師中心の授業になりがち。生徒の個性に適応しにくい
- 知識主義、言語主義になりがち
- 生徒に活動の場がないために、生徒は聞くだけという受動的、消極的な姿勢になりがち
- 生徒間の交流がなく社会性が養われない
問答法(質問法)
問答法は産婆法とも呼ばれ伝統的な教授方法。主に生徒に質問させたり、話をさせることでそのなかで答えを見出していく授業の進め方で多くの場合講義法と併用される。
▼特徴
- 問答によって知識を整理し、理解を確実にすることができる
- 問答は生徒に刺激を与え、注意を引き起こす
- 質問によって生徒の理解の程度がわかり個性に応じた指導ができる
討議法
討議法は生徒が互いに意見を発表したり質問したりして、知識や技術を学習し問題を解決する指導法。問答法との違いは、講師が生徒のなかにはいって同じ立場で考えたり発言したりする点。この方法では、問題解決のために、自主的、協力的に話し合いを進めることもできるので、生徒の積極的な学習参加が期待できる。この方法では一人ひとりの生徒に目的をはっきり把握させること、特定の生徒だけが意見を発表することのないように指導することが大切。
観察法
観察法は直接教授ともいわれる方法。実物あるいは絵や写真や模型を見せながら行う。きものの生地の地質、風合い、染め、織り、文様などについての学習にはこの観察法が最も優れている。模範を示す示範法もこの観察方に入る。
見学法
見学法とは現地に行って実際に見せて学習させる方法。実際の見学によって内容を補い知識の理解をより確実なものにするのに有効。しかし、見学法は多くの時間と経済的な負担を必要とする。事前の調査や連絡を計画的に行う必要がある。見学後にレポートを書かせたり、話し合いをさせることもその効果を高めるために必要。
構成法
構成法とは、ピンワークや創作帯結びなどの実技がこれにあたる。共同作業として行われることが多い。この方法の特色は、生徒の活動が活発となり、創作の喜びを体得することができること。
劇化法
いろいろなできごとや場面を劇として表現させ、教授の効果を上げようとする方法。
練習法
授業内容を反復練習させることで十分に習得させること。学習したことがすぐに実行でき、自由に使いこなせうるようにさせる教授方法。練習する意義がはっきりしている場合、練習がとても意欲的に行われ練習法の効果が大きくなる。
- 模範を示す
- 模範に従って結び方を練習させる
- 自分の手順、操作を検討反省させる
- 正しい形をより正確に、より早く、より巧みに表現できるように繰り返し練習させる