【着物知識】知識検定6級用勉強メモ

 

きもの知識検定6級を受けるにあたっての個人的勉強メモ

きものの知識

胴裏と裾回しについて
着物の裏地である胴裏と裾まわしの関係は、胴裏3分の2と裾まわし3分の1。裾まわしは八掛とも言う。白い部分と袖の中までが胴裏、きものの腰下辺りから裾にかけてつける裏地を八掛という。

三つ身
4歳前後の子供の着物。身丈の3倍で前後の身頃・衽を裁つ。

魏志倭人伝
弥生時代の衣服の形式が記録に残っている中国の書。

横幅衣
弥生時代の男性の着衣で1枚の布を袈裟掛けにして着る。


奈良晒
奈良地方で生産されてきた麻織物。天日晒しされたものをいう。日本の麻織物の中でも代表的な高級品

古代裂
古い時代の染織品の端布のこと。一般には明治以前のものをいう。奈良時代の遺品である正倉院裂および法隆寺裂などのほか、公家の衣装にみられる有職裂,茶人の間で珍重された名物裂のほか,小袖(こそで)や能装束などのものもある。

植物染め
植物の葉、花、皮、実、茎、根などの汁を用いて灰汁などで媒染する染色は色が渋く落ち着いた味わいがある。↔️化学染料

板締め
布を凹型に彫られた板2枚に挟んで締め、染料を流し込む染色法。
板締めしぼりとは... |ベンガラの専門店 古色の美

車輪梅
大島紬を染めるテーチキという植物の別名

蜘蛛絞り
線で括られた染め上がりが虫の巣に似ていることから名付けられた絞りの名前

Arimatsu Shibori手蜘蛛絞
漱石の猫, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で

墨流し
ふのりの液面に墨や染料を流し、その上に布を置いて模様を写す染め方

江戸小紋三役
江戸小紋は柄の種類が豊富だが、特に江戸小紋を代表する文様「」「行儀」「角通し」を江戸小紋三役という。鮫は、元は紀州徳川藩の定め柄。小さな点が扇状に並び、鱗のように重なった柄。鮫皮のように堅い鎧に例えられ、魔除けや厄除けといった意を含む。行儀は、仙台藩伊達家の定め柄。斜め45度の角度で整然と並ぶ点の柄。お辞儀の角度とも例えられ、行儀正しい秩序や礼を尽くすという意味を持つ。角通しは、信濃戸田家の定め柄。縦横垂直に規則正しく並ぶ点の柄。縦にも横にもまっすぐ筋を通す、という意を含む。

▼画像付きでわかりやすい記事

桟留縞(さんとめじま)
インドのセント・トーマスから輸入されたと言われる細縞の綿織物

鶉ちりめん
シボが大きく主に帯地に用いられる。鬼縮緬、鬼しぼ縮緬、鎖縮緬とも呼ばれる。普通の縮緬に比べて、シボ立ちが粗いのが特徴。左撚り、右撚りの強撚糸をよこ糸にそれぞれ4本ずつ、または6本ずつ交互に打ち込んだもので、これにより大きく粗いシボができる。

津軽こぎん
麻の着物しか着ることが許されなかった農民が、津軽の厳しく長い冬を少しでも快適にやり過ごすために、保湿と補強の目的で麻布に木綿の糸で刺し子を施すようになり生まれた。その美しさから模様として通用するようになった。

厚司織(あつしおり)
東北・北海道などに原住していた人々が、木の皮の繊維を手で紡いで地機織りで織ったもの。もともとはアイヌの民族衣装。

南部裂織(なんぶさきおり)
裂織は、使い古した布を細く裂き、織りこみ、衣服や生活用品へと再生する織物。経糸に木綿糸、横糸に古布を用いて織った裂織は、丈夫で温かく、使いつづけるとやわらかな風合いになる。江戸時代、寒冷な気候の為に木綿の育成や入手が難しかった、南部地方(青森県東部)では、大切に使った布を素材にこたつ掛けや仕事着、帯などを織って作った。

亀田ぜんまい織
山菜のぜんまいの頭に生えているぜんまい綿と綿花を混紡して織ったもの。防虫性と防水性がある。産地は秋田県。

白鷹お召し
白鷹お召のふるさとは山形県の白鷹町。板締め絣という技法を用いた細かい絣模様が特徴。湯もみによる独特の鬼シボでさらりと肌をすべるシャリ感のある地風も特徴。

長井紬
長井盆地に位置する長井地方と白鷹地方は、第9代藩主上杉鷹山公の時代に養蚕地帯に。明治初期に十日町から指導者を迎え絣の技術が発展したことにより現在の長井紬に。絣紬が中心で、絣模様は大柄のものが多い。八丁撚糸を用いた独特の糸づかいと独自の風合いが特徴。品質や柄が琉球産の絣紬に似ているため「米琉(米沢琉球紬の略称)」とも。

白石紙子
和紙製の衣服。おもに防寒用として用いられた。宮城県白石市特産の白石和紙という紙から作られる。細く裂いた紙で織る紙布とは異なり、紙のまま衣類に用いる。紙子は、紙を何枚か張り合わせて、よく揉んで柔らかくしたものに柿渋を塗って作る。軽くて柔らかく、風を通さないことが特徴で、戦国時代の胴服や陣羽織、防寒着、僧侶衣などに用いられた。

加茂木綿
新潟県加茂市で生産されている木綿。江戸時代から織られ始め、大正末頃が最盛期。素朴な風合いが特徴の、堅牢な木綿織物。着尺には経縞、夜具地には格子縞や緯縞が多く用いられる。

家紋

石持ち紋
既製の振袖、留袖、喪服など、紋の部分を白く染め残しあとで門を書き入れられるようにしたもの。

伊達紋
家紋ではないが、花鳥、山水、文字などの文様を家紋の代わりに作ったもの。

文様

立涌
相対する2本の曲線で中央が膨れ、両端がすぼまった模様。有職文様のひとつで格式高い。

慶長文様
桃山時代末期から続く文様で、江戸時代初期の小袖の主体となった柄行。着物地を埋め尽くすほどの総柄で、文様や刺繍、絞り、箔などをほどこした豪華絢爛の小袖。地色がほとんど見えないほど豪華な文様をつけたため地無し文様とも。

寛文文様
江戸時代前半の寛文年間には、主として上半身の背面の肩から右身頃にかけて斜下に大柄な文様を配し、左身頃には余白を持たせた構図の小袖が流行した。金糸を豊富に用いた刺繍が見られ、色調は明るくなり、主題のある文様を、はっきりとわかるように配している。余白を生かした構図が特徴的。

吹き寄せ
風で吹き寄せられた木の葉などを模様としたもの。いろいろなものを寄せ集めたさまを吹き寄せといい、風景文様のひとつとして、古くから多種多様に用いられてきた。

元禄模様
江戸時代中期の爛熟期と言われた元禄の頃は、上方を中心とした町人文化の最盛期。その頃作られた小袖は、文様を全体に散らしたものや、裾から背へかけて覆うように大きな文様を配したものが見られる。華やかで繊細、絵画風で自由な模様が特徴。技法としてはやはり、絞りと刺繍が主。友禅染も、この時代に完成されたもの。

雲鶴
雲の中を鶴が飛んでいる柄で古くは袍の文様。おめでたい文様。

角帯
角帯は長さが4m37cm、巾9.50cm

なごや帯
織り上がり寸法(仕立て前平均的な長さ)は、長さが、4m75cm、巾34.2cm。仕立て上がりの寸法は、帯幅が30.5cm、胴はその半分で丈は約360cm、お太鼓の裏側にやく110cmの返し分がついている。

袋帯
仕立て上がりの平均的な長さは、4m37cm、巾31.1cm

小物

  • 足袋の材質には、キャラコ、羽二重、綾織、ブロード、ナイロンなどがある。中でもキャラ子は、洗うほど白くなり、生地に張りがあってアイロンをかければ新品のようになる。

男性のきもの

一疋
反物2反で一疋と数え、一般には2反分の長さがある一巻きの反物を一疋と数える。男性の着物と羽織ができる長さのこと。

兵児帯
男性が浴衣など普段に締める絞りなどのやわらかい帯のこと。


袴には、馬乗り袴と行灯袴の2種類がある。馬乗袴は、キュロットスカートタイプの袴。行灯袴は、スカートタイプの袴。

博多織
博多織は古くは博多で作られた織物一般をさしましたが、江戸時代に幕府への献上品になったことから男帯の代名詞になった。

裾模様の変遷

  • 江戸時代に前期に用いられた寛文小袖の模様付けは、左肩から右裾にかかえて弧を描くように模様を配してある
  • 江戸時代中期に裕福な家では尾形光琳など有名な画家に頼んで模様を描いてもらっていた
  • 江戸時代後期に町民文化が発達すると裾模様は、模様がますます小さくなり粋を競うようになった
  • 大正時代から昭和時代にかけて裾模様が大柄に変化していった
  • 元禄時代より低い位置に模様が配されるようになった。この理由は、帯幅が広くなり帯結びの位置が後ろに定着したため。また長く引きずって歩くようになったため褄が見えるようになった

袖の移り変わり

  • 古墳時代の遺跡から発掘された埴輪から当時の服装は、袖口の狭い筒袖であったことが知られている
  • 安土桃山時代の人々は、座るときに立て膝をついて座っていたため、袖が極端に狭く身幅が非常に広い着物を着ていた
  • 聖徳太子の逝去を悼み作られた天寿国繍長残開に描かれている人物の衣服の袖は、埴輪によく似た筒袖
  • 高い体温を逃すため平安時代より子供用のものには、身八つ口のついた袖がつけられていた。
  • 江戸時代に大流行した元禄袖は、広めの袖口で袖の底に茶碗で円を描いたような丸みのある袖をしていた

芸者のきもの

  • 隠れたところでおしゃれをするのが粋の極致とされてきた、芸者さんが好んだ小袖は裾模様
  • 文化14年ごろ黒い羽織をまとった芸者さんは羽織芸者と呼ばれた。深川芸者、辰巳芸者
  • 芸者さんの着る吉祥文様のついた黒紋付裾模様小袖のことを出の衣装という
  • 芸者さんの衣装で紋付色小袖は、『色変わり』と呼ばれる
  • 芸者さんの帯結びは、前を矢の羽根のように交差して結ぶ

綴れ織

  • 綴れ織とは、横糸をだぶつかせ、縦糸が見えないように打ち込みを多くした織り方で平織りの一種
  • 綴れ織は西陣を代表する織物
  • 2本の糸を二つに分けて、次に別の色を合わせて新しい色糸をつくることを割杢という。様々な色に染められた糸を裂き、作りたい色に合わせて、色の違う裂いた糸同士を再び撚り合わせることによって、より複雑で微妙な色合いや、陰影、濃淡などを、視覚的、立体的に表現することができるという技法
  • 地色の違う部分にできる境目のことを羽根釣孔という。(参考サイト:https://www.rakuten.ne.jp/gold/rin-kyoto/note-tsuzure1.html
  • 宋の時代に絹綴れは刻糸と呼ばれた

牛首紬

  • くず繭の中で、2匹の蚕が共同で一個の繭にしたものを「玉繭」と言う。この玉繭は、普通の養蚕をしていると2~3%の割合で必ず出るが、繭から2本の糸が出るため、糸をつくるときに必ず絡まってしまいきれいな糸が作れない。そのため通常はくず繭の扱いをされる。牛首紬は伝統の技法でこの玉繭から糸を引き、絡み合った部分が牛首紬独特のネップとなっている
  • 経糸は普通の繭の紡ぎ糸で、緯糸は玉繭の紡ぎ糸で織られている
  • 座繰りとは、湯に浮かべた繭から糸口を取り出し糸を紡ぐこと
  • 牛首紬は経糸で300回/1m、緯糸で200回/1mの撚りをかける
  • 牛首紬は、釘抜き紬といわれるほど丈夫で、あたたかい。石川県の白峰村(旧牛首村)で生産される。普通の着物は釘に引っかかると破れてしまうが、牛首紬は破れることなく、釘を引っこ抜いてしまうほど丈夫だということから、釘抜紬と呼ばれるようになった
  • 紡ぎ糸の糊付けに使用される糊の原料は米の粉

結城紬

  • 袋状にした繭から、さなぎや汚れを取り除き所定の形の袋につくることを真綿かけという(参考:とちぎふるさと学習|真綿かけ
  • 結城紬の糸の一番の特徴は、撚りをかけない手紡ぎの糸を使用すること
  • 糸はたたきつけながら染めるたたき染め。染めた糸を叩いて染料を糸の芯まで染み渡らせるために「たたき染め」は欠かせない工程
  • 結城紬は水を通すほど柔らかく、しわになりにくい
  • 結城紬は鎌倉時代に常陸紬と呼ばれるようになり、慶長年間に入り領主の名前より結城紬になった

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