【着物のお手入れ奮闘記⑤】しみぬき池田補正所さんで古い着物のお見積もり&依頼をする
この奮闘記は、着物初心者が数十年ものの着物をお手入れするまでの記録です。リアルタイムで更新中
本日ついに、小岩にあるしみぬき池田補正所さんへ行ってきました!インターネットで調べてお店のことを知ってから一番信頼できそうだと感じていて、特に大事な着物は絶対ここでお願いしようと心に決めていたのでした。
結果、大正解だったと感じております。たくさん着物のことやお手入れのことを話すことができて、安心してお任せすることができました。本当に有難いことです。
というわけで、今回は、しみぬき池田補正所さんへのアポイントから実際にお店へ伺ってのやりとりをレポート!
きもの専門生き洗いしみぬき卸 しみぬき池田補正所
お手入れする着物リスト
しみぬき池田補正所さんでお手入れ相談
私「お電話でも話したんですけど、着物のお手入れとお見積もりをお願いしたくて...(着物を出す)」
池田さん「どこが気になるの?」
私「汚れやシミが多くて全体的に...」
訪問着
私「祖母が若い頃の着物なんですけど...」
池田さん「泥ハネやカビとか汗汚れとか試してみないとわからないけど色んな汚れが混ざってるね」
私「白地のところカビが多くて」
池田さん「白地のところはね、胡粉を塗った後重ねるものにタンパク質が含まれてるからカビやすいんだよね」
私「え、白って地の色じゃないんですか」
池田さん「違う違う塗ってるんだよこれも」
私「そうなんだ、手間かかってるんですね...あ、だから留袖も白地のとこカビてるんですね」
白地の部分に黄色っぽく点々としているのがカビ |
裾の方の泥ハネっぽい汚れ |
私「あと襟首のところの黄ばみも気になるんですけど、綺麗になりますかね?」
池田さん「ああ、これね。がんばるけどここは、折るから着ちゃえばわからないからね」
私「なるほど。確かに。着て目立たなきゃいいですもんね」
襟の折り目が黄ばんでいる |
池田さん「やれるだけやってみるけどね、そのままだと着物に良くないからね、風通ししてあげてね」
私「虫干しってことですか」
池田さん「虫干しまでしなくてもいいから、箪笥からだしてバサバサやって」
私「それだけでいいんですか、それならできる」
池田さん「汗染みとかってね、すぐにはできないの。何年かたって現れてくるから。風通すのもね、防ぐことはできないけど、遅らせることはできるから」
私「なるほど。出した時に、シミできてたら気付けるし、これからは風通しするようにします」
留袖
池田さん「これは、古い着物だね」
私「多分、祖母が嫁入りの際に誂えて貰ったものみたいなので相当古いかと思います」
池田さん「この袖裏に赤いのあるでしょう。昔の着物はこういうのつけてたけど今はつけないから着るなら取らないとね。」
私「あ、そうなんですか?昔のはこの赤いのついてたんですか?比翼もついてないしこれ留袖っぽいけど留袖か確信持てなくて...」
池田さん「これは留袖だよ。昔は白羽二重の上に着たの。でも重いし大変だから比翼ができて、今の留袖はほとんど比翼つきだね」
私「なるほど。赤いのも昔の特有なんですね」
池田さん「そうだね昔は、襦袢とかも赤いの多かったね。着物に色移りするとかあって、今は赤い襦袢は廃れたけど」
私「赤い襦袢!?襦袢といえばピンクとか淡い色のイメージです」
池田さん「そうそう今はそういうのが普通になったね」
紅絹 |
池田さん「着物ってね大体人の一生と同じくらいだからねえ。お祖母さんがお嫁行く時ってことは20歳くらいと仮定してそこから60年ぐらいは経ってるねえ」
私「そうだと思います。箪笥の中で一番古い着物のような感じでした」
池田さん「娘さんに受け継ぐだと、まだなんとかなるんだけどね、お孫さんの代になってくるとね、ちょっと若い頃と同じようにはいかないねえ」
私「そうですよね...(もしかして断られる?断られたらどうしよう...)」
池田さん「でも黒も褪色してないし着れるよこれは」
私「あ、本当ですかよかった!!!祖母の留袖の中で一番多分祖母が大事にしていたものだと思うのですぐに着る機会はなくても絶対綺麗にしておきたくて」
下の方の大きな茶色のシミみたいなものは箔が剥がれた後らしい |
池田さん「松のところの白い線だって糊?(うろ覚え...)で除けておいて描いてあったりね。仮絵羽に青花で下書きして色つけてその上から刺繍して手間がかかってるんだよね」
私「果てしないですね...」
袋帯
池田さん「これうちに持ってくる前どこかで見てもらった?」
私「いえ、大事な着物は全部こちらにお願いしようと思って持って行ってないです」
池田さん「この帯よく使ってた帯なんだね〜。見たところ一回もお手入れしてなさそう」
私「そうなんですか?」
池田さん「ここみて色が全然違うでしょう(柄のないところ)これね、着物の色が移っちゃってるみたいなんだよな」
私「本当だ、全体的に汚れているなと思ったんですけどめちゃくちゃ汚れてますね」
池田さん「まあでもやれるだけやってみるね。色んな着物に合わせられるいい帯だから」
私「ありがとうございます!(よかったー!)」
結論
お見積もり
今回の明細書 |
余談
- 関西の方では黒留袖でも訪問着同様の模様づけされてるものがあるらしい
- 今回お願いしたピンクの訪問着をいつまで着れるかと聞いたところ、50代くらいまでかな、でも時代も変わっていくし年を重ねてから派手な色の方が見栄えもいいとかもあるからもっと長く着れるかもね
- 新品同様に綺麗にはならないけど綺麗にはしてくれるそう。
- 青い染料は漂白すると色落ちしやすいから大変。値段が嵩むことも多いらしい
- 職人は大変なものほど燃える。他では作業量が見合わないから断られることがあるやつでも、色々受賞しちゃってるからやりましょうってなる。
- 目には見えないところも霧吹きするとカビてるのが見える、そういうのも全部綺麗にする(でもお客さんには見えないから高く思われるらしい、だから普通のところはやらない)
- いつも撮るの忘れちゃうんだけどね、と言いながらビフォーアフターでわかりやすいものいくつか写真で見せてくれました。(一部HPにも載ってます)
- お客さんからお手紙とか写真もらっちゃうとやめられないそう。分厚いファイルに綺麗にファイリングされてた!
- 着てあげるのも着物にはいいこと
- ホームページの更新とかもご主人が自分でやっているそう
- 他にも箪笥によくわからない着物があるというと、持ってきてくれればお手入れ必要か否か判断してくれるとのこと
- 昔の観音開きのような棚に一段一枚だと風通りもよくていい。今時の家だとそういう保管の仕方は難しいが、重ねすぎないようにするのがベスト
しみぬき池田補正所へのアクセス方法
池田補正所までのアクセス方法 |
まとめ
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